「…………………」
何分そうしていただろう。
有り得ない。
病院とは男女、それこそ子供から老人までが来るが、病室に年の近い、それも青年期の異性が同室になるなんて有り得ない。
「………」
とりあえず足音を忍ばせて部屋を出る、プレートを確認するためだ。
彼女の勘違いという可能性が一番納得いく現状 なのだが、間違いでは無いようだ。
「篠原千尋」
確かに手書きで書いてあった。
「……………………」
さらに愕然、 いや、もしかしたら病室の人が間違えたのかもしれない。
そうだ、その可能性が高い。
間違いではなかった。
看護士さんの話によると、基本的に病室ってのは病状によって分けられるらしい。
しかし、この所新型のウイルスが蔓延していて病院も患者が後を絶たない。
結果、病室に空きがないという事態になっている。
まぁ、一般患者と発症者を一緒にするわけにもいかず、この様な事態になったと言うわけだ。
もしも、健全な男子なら喜びそうな事なんだろうが、俺にとってはいい迷惑だ。
もちろん俺はそっち系だからなんて裏設定は無い、
ただ単に女子が苦手なんだ。