レイゲンは不気味な笑みを浮かべながら更に近寄ってくる。
「あなた…。私以外全員殺したのね」
「…ああ。後はお前だけだ」
そう言ってレイゲンは、懐から鈍く光る鋭利な物を取り出す。
「お前を支配するのは俺だけで良い。俺が主役だ!」
「!?」
レイゲンはナイフを大きく振り上げると、その間々シェリーに斬りつけた。
しかし彼女はとっさに横に転がってそれをかわすと、一目散にその場から逃げ出した。
「待て!!」
レイゲンは叫ぶと、ナイフを構えながらシェリーの後を追い始める。
「ハァ、ハァ」
シェリーは何度も後ろへ振り返りながら必死に走り続けた。
レイゲンもまた、必死の形相で彼女を追い続ける。
…その顔はまさに悪魔そのものであった。
やがて、2人の目の前に光り輝く物が飛び込んできた。
それは、空に向かって真っ直ぐに伸び、凄まじい光を放つ『光の柱』であった。
シェリーはその光の柱に向かって真っ直ぐに突き進んだ。
「ハァ、ハァ‥。もう少し」
「行かせるか!!」
するとレイゲンは持っているナイフを振り上げ、一気にシェリーに向かって投げつけた。
ナイフは真っ直ぐに風を切り、シェリーの足を貫く…。
「キャアッ!!」
シェリーは柱まで後僅かという所で、倒れた。
「うぅ…。お願い止めて…」
シェリーは涙を流し、必死に助命を懇願する…。
「黙れ…。お前はいらない。俺が主役になるんだ。だから消えろ!」
そう言ってレイゲンは、シェリーの足に突き刺さっているナイフを引き抜く。
「うぅっ!! レイゲンお願い! 私を消さないで!」
だがレイゲンは気にせず、ナイフを再び振り上げ、シェリーの腹を切り裂いた…。
「ギャッ!!」
それだけに止まらず、レイゲンはシェリーの体中をズタズタに引き裂き、両目を潰す。
…そして。
シェリーの髪を掴み、その間々首を切り落とした…。
「ふぅ…。終わった…」
レイゲンは切り落としたシェリーの首を思い切り蹴り飛ばすと、目の前の光の柱の中へと入っていく。
小鳥の鳴き声が聞こえてくる心地良い朝。
シェリーは窓から差し込む日差しと共に目を覚ました。
しかし、その目は狂気に満ちていた…。
終