DREAD『支配』後編

ミッシェル  2009-08-27投稿
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レイゲンは不気味な笑みを浮かべながら更に近寄ってくる。

「あなた…。私以外全員殺したのね」

「…ああ。後はお前だけだ」

そう言ってレイゲンは、懐から鈍く光る鋭利な物を取り出す。

「お前を支配するのは俺だけで良い。俺が主役だ!」

「!?」

レイゲンはナイフを大きく振り上げると、その間々シェリーに斬りつけた。

しかし彼女はとっさに横に転がってそれをかわすと、一目散にその場から逃げ出した。

「待て!!」

レイゲンは叫ぶと、ナイフを構えながらシェリーの後を追い始める。

「ハァ、ハァ」

シェリーは何度も後ろへ振り返りながら必死に走り続けた。

レイゲンもまた、必死の形相で彼女を追い続ける。

…その顔はまさに悪魔そのものであった。

やがて、2人の目の前に光り輝く物が飛び込んできた。

それは、空に向かって真っ直ぐに伸び、凄まじい光を放つ『光の柱』であった。

シェリーはその光の柱に向かって真っ直ぐに突き進んだ。

「ハァ、ハァ‥。もう少し」

「行かせるか!!」

するとレイゲンは持っているナイフを振り上げ、一気にシェリーに向かって投げつけた。

ナイフは真っ直ぐに風を切り、シェリーの足を貫く…。

「キャアッ!!」

シェリーは柱まで後僅かという所で、倒れた。

「うぅ…。お願い止めて…」

シェリーは涙を流し、必死に助命を懇願する…。

「黙れ…。お前はいらない。俺が主役になるんだ。だから消えろ!」

そう言ってレイゲンは、シェリーの足に突き刺さっているナイフを引き抜く。

「うぅっ!! レイゲンお願い! 私を消さないで!」

だがレイゲンは気にせず、ナイフを再び振り上げ、シェリーの腹を切り裂いた…。

「ギャッ!!」

それだけに止まらず、レイゲンはシェリーの体中をズタズタに引き裂き、両目を潰す。

…そして。

シェリーの髪を掴み、その間々首を切り落とした…。

「ふぅ…。終わった…」

レイゲンは切り落としたシェリーの首を思い切り蹴り飛ばすと、目の前の光の柱の中へと入っていく。




小鳥の鳴き声が聞こえてくる心地良い朝。

シェリーは窓から差し込む日差しと共に目を覚ました。

しかし、その目は狂気に満ちていた…。


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