頭が冴えない。
ディ○ニーまであと2日。
僕とエリンは家でガイドブックを見ている。
「一日目はココに行って…これと、これを乗って、これを食べて…あっこれも♪」
エリンは嬉しそうに指を指しながら話す。
僕は聞いているようで、聞いてない…。
そんな事はどうでもよい。
僕はあの事ばかりを考えている…。頭が破裂しそうだ…。
誰か助けてくれ…。
「行きたくないの?」
「えっ?」
「ハーンは、行きたくないの?」
僕の腕を掴んで顔を覗き込む。
「行きたいよ…何でそんな事聞くんだよ。」
僕は思わず目をそらす。
「……つまんない!」
そう言って、エリンはガイドブックを閉じ、ベッドでふて寝し始めた。
(怒らせたかな。)
僕は近くに寄りエリンの体を揺さぶる。
「なぁ…ふて腐れんなよ。俺は行きたくない訳じゃないんだから。」
そう言うと、エリンは起き上がり僕を見つめる。
「じゃあ、何でずっと怒ってる顔するの?」
「俺がいつそんな顔した?」
「ずっとよ!今だってそうじゃん!」
「してねぇよ!」
「してるよ!」
イライラする僕等。
泣き出すエリン。
(どうしろってゆうんだよ…。)
「ばか!もう知らない!」
捨てゼリフをはいてエリンは出て行く。
(……?俺が悪いのか?)
でも、行きたくないなんて言ってないし。
(俺は悪くない!)
と思っても、自分の悪かった所を思い出し、探す。
ずっと考え事してて、上の空で話しを聞いていた…。しかも考え事すると怒ってる顔をしてしまう。
(それなのか!)
急いでエリンに電話をする。
出ない。
エリンの家に行こうと思い、玄関のドアを開ける。
(とにかく謝ろう。)
罪悪感を抱いて、アパートの階段を下りる。
階段の隅っこでエリンはうずくまって座っていた。
「エリン。」
肩を叩いて振り向くのを待つ。
「ハーン…ごめんなさい。」
泣きながら抱き着く。
僕はそっと抱きしめて
「俺のほうこそごめん、さぁ、部屋戻ろ。」
うなずくエリンの手を引き、僕等は部屋へと戻る。
僕等の初めてのケンカは、すぐに仲直りで終わった。