目の前には巫女がいる。
巫女は口を開いた。
「羽場さんを川に落としたのは悪霊をおとすためです」
それは分かっている。
「羽場さんに付き纏っていた悪霊は水が嫌いだったので川に落としたのだあ!どう?私役に立つでしょう!いやー、はははそんな褒めないでよん」
褒めてねえ。
「そんなこと……」
俺は巫女を無視して適当に礼を言いこの場を後にした。
● ●
巫女には感謝している。あいつ無しでは俺はもう死んでいることだろう。神様、あいつと出会わせてくれてありがとう。
でも礼は余り言わない。
どうせすぐにまた会う。明日にでもまた会うだろう。
ふと横を見ると悪霊がいた。
俺は笑った。
またあいつに会えるしな。
終