群青色の彼方に・・・04

長谷川友一  2009-08-27投稿
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遂に恐れていたことが起こった。

「北朝鮮からミサイル発射!日本に接近しています!」
「ミサイル迎撃用意!」
北朝鮮の弾道ミサイルがPAC3の射程に入る。
「迎撃ミサイル発射!」
一発目が外れる、二発目が当たった。
しかし弾道ミサイルは完全に破壊されず、宇都宮市に落ちてしまった。

死者は100人超、宇都宮市は三波が生まれ育った街である。
死亡者の中には三波の幼なじみもいた。

もう犠牲者は出さない、三波は自分に誓った。


急に三波は俊也に声をかけられた。
「三波!明日からまた空に戻る事にした!またよろしくな」
「へますんなよ!」
三波は嬉しかった。
また俊也と飛べると思うと何だか元気が出てきた。
「ブルーイーグル再結成だ!」
「ブルーイーグル」とは三波と俊也の昔の部隊名である。

次の日二人の耳に韓国空軍のエースパイロット「ソン・クヒョン」が北朝鮮に逃げた事が入ってきた。
「ソン・クヒョン」は三波と同じイーグル(Fー15C)の使い手だ、
三波の脳裏に徳原を落としたあの機体が浮かんできた。
(あの赤いイーグルもしかして)

今日は徳原とその後部席に乗っていた海老塚隊員の葬儀が行われた。
葬儀が終わったあと、三波と俊也は飛行訓練を始めた。

「こちらブルーイーグル2三波、先いくぜ!」
「早くいけ、おしゃべり野郎。」
「こちら管制塔ブルーイーグル2発進を許可する」

轟音と共に俊也の機体が空に上がる。

「こちら管制塔ブルーイーグル1発進せよ」
続いて三波の機体も空に上がった。
すかさず俊也から無線が入る。
「三波!懐かしいぜ!大空にただいまだ!」
「はしゃぎすぎて落ちるなよ。」
並んだ二人の青いイーグルは旋回、上昇、急降下の動きを難なくこなした。
まるでまた二人でとぶことを喜ぶかのように・・・

そして夜になり三波はベッドに入った、しかし何故か眠れない。
何か嫌な予感がしたのだ。

仮眠程度の睡眠時間しかし翌朝はスッキリしていた。
しかし昨夜のモヤモヤは取れなかった。
(寝不足のせいだろ)と思っていると放送が入った。

「北朝鮮から戦闘機多数捕捉!戦闘機は急ぎ発進せよ!」

やはりきたか、三波はそう思った。

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