チンゲンサイ。?

麻呂  2009-08-28投稿
閲覧数[545] 良い投票[0] 悪い投票[0]

そもそも俺は、この会社のシステム開発課の課長をしていた。


中小企業であり、そこそこ名の通った、食品製造会社であったが、


人を捨駒の様にこき使うなどのマイナスイメージが、いつも先行して流れているといった具合だから、


経営者は、益々変わり者だと言う事が想像出来るだろう。


この変わり者の社長は、事あるごとに人事異動をさせるのだが、


その頻度の多さから、単なる社長の気紛れだと言うのが、もっぱらの噂だった。

かくいう俺も、この20年間の間に、3度異動させられた。

最初は営業部。


2度目は研究開発課。


そして3度目に、現場作業責任者。


いずれの異動理由も、明確にされる事は無かったが、


常に同僚達が、俺の陰口をたたいている事には気付いていた。


――どこの部署へ異動になっても使えねーヤツ――


はらわたが煮えくり返るとは、この事を言うのだろうか。


俺は、この言葉を耳にする度、


腹の奥底から、熱いものがこみ上げて来る感覚に襲われていた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 麻呂 」さんの小説

もっと見る

その他の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ