即席パーティー!(完)

花中島もなこ  2005-11-23投稿
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「くくくく……」

城の中に入ると、さっそく魔王のお出まし。不気味な笑い声を上げていた。やっぱ強そうだ。

「出たな魔王!」

リアクションがオーバー過ぎるよ、ケン……。

「覚悟しろ……今日がお前の命日だ!」

カッちゃん! いつ考えたんだよ、その台詞!

「よくぞ来た……勇者とその仲間よ……」

魔王は気味悪く微笑む。

「ちょっと待て、何で俺たちは『その仲間』ってひとまとめにされてんだ?」

「『勇者と魔法使いと僧侶』って言えばいいだろ」

ごちゃごちゃ言う二人。
ああもう! 細かいことは気にすんなよ!

「助けてぇ―――!」

どこからともなく女の子の叫び声が。
よく見ると魔王の背後の檻にお姫様が捕まってる!

「佐藤さん!?」

檻の中の姫様は、まさしくクラスのマドンナ・佐藤亜紀ちゃんではないか――!!!!

「姫を返せ魔王!」

急にやる気がみなぎる俺。

「返してほしけば私を倒してみろ……さぁかかってくるがいい、勇者ども―――!」

魔王が攻撃を仕掛けてきた!

俺は剣を抜いた。

「おい! 誰か攻撃しろよ!」

「『素早さ』が低いから、先攻できないんだよ!」

何だって!?

「まずい! みんな防御しろ――」

 その瞬間。魔王の攻撃。

「フン、くらえ!」

ドン――!!!!

痛恨の一撃だ。
俺は250のダメージを受けた!
ケンは300のダメージを受けた!
やばい…瀕死状態だ…。早くHPを回復せねば…!カッちゃん頼む!

「あぁっ! カッちゃんが死んじまったぁ〜!」

なにィィィっ!?

カッちゃんは倒れていた。

「回復役が死んじまったじゃないか!!」

使えねー!!

「どーすんだよっ!?」

「どーするもなにも……もう攻撃するしかないだろ!」

俺の攻撃、魔王に170のダメージ!
ケンは呪文を唱えた!魔王に100のダメージ!

全然効いてねぇっ!!

「こしゃくな!死ね――!」

魔王は呪文を唱えた。

俺は力尽きた。
ケンは力尽きた。

俺たちは、全滅した。



 目を覚ますと、今度こそ俺の部屋。ゲームもやりっ放しだった。ケンもカッちゃんもいる。生きてたか、カッちゃん……。

「俺……変な夢見た……」

「まじ!?俺も!」



 奇妙なことに、3人とも全く同じ夢を見ていたのだった。

俺は思った。
ゲームもほどほどにしよう、と。


〜gameover〜



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