雪の華?

龍王  2006-07-28投稿
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聖夜が以前訊いてきた事がある。

兄貴のどこがいいの?
優しいから?
傍にいたから?
顔?心?

私は答えた。

聖夜には分からない。

そう答えたら聖夜は目を細め、顔を歪ませながらポツリと言った。

分かりたくも無い。

そう言った。

仲が悪いのかな…
その時はそう思った。



「……」
「朱斐お帰り」

学校の門にて出迎えてくれている白藍に、朱斐が少し引いている。
女学院。
男性がいるのはかなり目立ち、周りの視線や突然の白藍の登場に朱斐は混乱する。

「は…白藍?」
「おいで…」

綺麗な顔を微笑ませ、朱斐に近付くと手を掴み、車まで手を引き乗せる。
朱斐は動揺していて白藍の言う通り、おとなしく車に乗った。

「ど……どこに行くの?白藍」」
「とりあえず互いを知る為に付き合うって言ったんやろ?ならデートしようや♪」

「デ……今から?!私制服よ?」
「そんなんいくらでも買えるやん♪なら先に買い物行こうや♪」

「……えっあっでも聖夜がもうすぐ迎えに来ると思うの」
「付き人?大丈夫やろ?車出して!」

また朱斐を強引に連れ去る白藍。
朱斐は御付き合いや対等の立場の異性と接するのは始めてで、困惑していた。

「…白藍……あなたいつも強引ね」

朱斐が溜め息混じりに言うと、白藍は楽しそうに笑んだ。

「甘えてるんや♪朱斐と会えて嬉しいし楽しい♪今まで俺の回りにいたんは俺に頭を下げ、敬語を使う奴らばっかりやった。友人もおらへん。親がいらん言ったからや。全部親が決め、俺は言われた通りに動く機械やった」
「……白藍」
「でも朱斐は別や!対等な立場。俺に敬語も礼もせん。対等な…立場や…なっ?」

白藍が不安気に朱斐に訊くと、朱斐は微笑しながらうなづいた。

「─……初めてやな。朱斐が初めてや……普通に話せるんはやっぱ嬉しいもんやな」
「白藍も……ずっと一人…だったの?兄弟は?」
「──……一人を除いた兄弟とは仲が悪い。後継者争い…なんかな?兄弟仲は殺伐としとる」
「一人は誰?兄?弟?」
「今度会ってや。朱斐にも好きになって欲しい奴なんや」
「……楽しみに…してる」
「おう♪」



私には黒峯がいた。
敬語を使い立礼をしていたけれど…

でも
幸せ…だった…

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