−深さ−
真央はあの日から唯と関わらなくなった。
唯と離れてから一ヶ月。
真央は同じクラスの坂井 洋子と仲良くなった。
「ねぇ真央!今度どっか出掛けない?」
洋子が急に聞いて来た。
「いいよ!!何処行く?」
真央は洋子との初めてのお出かけにとても喜んだ。
すると洋子は言った。
「うーん…●△■デパートはどう?」
洋子はあるデパートを提案した。
「うんっ!いーよ!!」
真央は洋子の提案をOKした。
「よかった!じゃあ明日の放課後ね!!」
洋子は満面の笑顔で言った。
「うんっ!!」
真央も満面の笑顔で答えた。
帰りの号令が終わり、真央は一人で家へ向かった。
帰りの途中、目の前に唯の姿があった。
真央の足どりが重くなった。
真央は思った。
(今、唯に謝ればこの複雑な気持ちが無くなるのか。)
真央は唯の事より自分の複雑な気持ちを消したいと思った。
(でも唯に話し掛けて無視されたらもっと複雑な気持ちになるんじゃないのか)
真央は唯の背中を見ているうちに涙が出て来た。
真央は無視される怖さより、唯を泣かせてしまう怖さで言えなかった。
真央は家に着き、自分の部屋へ階段を駆け上がった。
「どうして仲直り出来ないんだろぅ…」
その日の夜真央は泣き崩れた。