夜になり、4人で食事をする。
「正司ったらね、それに乗ったらギャーギャー騒いでさ〜」
「うそ〜陽斗もあれでギャーギャー騒いでたよ〜。似た者同士だね〜。」
(……………。)
僕等は黙ってご飯を食べる。
エリンと奈々ちゃんはケラケラと笑いながらしゃべる。
「絵美、早く食べろ。俺らは先部屋戻るからな。」
「…はぁい。」
いったんは静かになったものの、また2人げらげらと笑う。
ライアンと一緒に部屋へ戻る。
「…疲れたな。」
「…あぁ、疲れた。」
こんなに疲れたんじゃ、ぐっすりと眠ってしまいそうだ…。
「あのさ〜。ハーンに言っておきたい事があんだよ。」
俯いて、ボソッと話すライアン。
「なんだよ。」
ゴロンとベッドに横になりライアンの顔を見た。
「奈々ちゃん、俺らの事、忘れてないみたいなんだ…。」
「?…意味わかんねぇ。だって、記憶消されたのは魔界の事と俺達の妖力だけだろ?」
「それが…消されてなかったみたいなんだ…。」
僕は起き上がり、ライアンの肩を掴んだ。
「ばあさんが失敗したってゆうのか?」
「ばあさんがわざとそうしたんだよ!!」
掴んでいた肩を力無く下ろす。
(何考えてんだ…。)
「奈々ちゃんはあの時、気を失っていた…。でも、願ったんだって…。」
「…何を?」
「俺の全てを知っていたいから、消さないでって…。」
「そんな…。」
しばらく僕等は黙って俯いた。
「詳しくはばあさんに聞かないとわかんないけどな…。」
ライアンは複雑な表情を見せた。
僕は、何て言ったらいいかわからなくなった…。
「とにかく、そうゆう事だから…。」
そう言ってライアンは部屋を出て行った。
その事は、エリンも知っているだろうか…。