総司がいた所には白い煙が上がっていて何も見えない｡
｢そ･･総司｡｣
｢柚木!!総司は!!??｣
蛍は柚木の側に駆け寄り煙を見た｡
｢総司は??｣
｢総司･･やっぱり体がついていかなかったみたいで､私を蒲ってまだあそこに･･｣
｢なっ!!｣
煙はだんだん晴れて来て､総司は地面でうずくまっていた｡総司の前には黒いマントを被った190センチぐらいありそうな男が立っていてエルフ達は全滅している｡柚木と蛍は総司の所に駆け寄った｡
｢総司!!｣
｢怪我してない??｣
｢ああ､無傷だ｡それよりも･･お前何者だ!!??｣
総司は黒いマントの男を睨んだ｡
｢俺を忘れたのか??｣
黒いマントの俺は振り返りマントのフードをおろした｡
｢!!!!て･･天狼(てんろう)!!??天狼か!!??｣
｢久しぶりだな｡｣
総司は今まで見せた事の無い嬉しそうな声と顔をしていた｡総司は立ち上がり天狼の側に駆け寄った｡
｢なぜ天狼がここに??!!｣
｢お前を探していたんだ｡やっと見つけた｡無事で良かったよ｡｣
天狼は優しく総司の頭を撫でて抱き締めた｡
｢お前が･･お前勝手に我の前からいなくなったんだろ??｣
総司は今にも泣きそうな声で呟き､天狼の服を掴んだ｡
｢悪かったな｡いろいろ事情があったんだ｡｣
｢あの･･｣
｢誰だ･･??｣
様子をうかがうように声をかけた柚木を天狼は見た｡
｢ああ､こいつが蛍で･･こっちが柚木｡我は今蛍の家に世話になってる｡｣
｢そうかなら､お邪魔するがいいか??総司を休ませたい｡｣
｢ああ､分かった｡｣
天狼は総司を抱き抱えた｡
｢我は一人で歩ける!!//｣
｢･･少しお前は休め｡｣
天狼が総司の額に触れると､総司はいきなり気を失ったように眠った｡
｢さぁ･･行こう｡｣
皆は蛍の家に向かった｡
｢ここに寝かしても??｣
｢ああ､そこでいいよ｡｣
天狼はそっと総司をベットに寝かせ布団を丁寧にかけた｡
｢蛍帰っていたのか??｣
ドアを開け龍光が部屋へ入って来た｡
｢今帰って来たんだ｡｣
｢蛍･･そちらの方は??｣
｢総司の知り合い｡｣
｢天狼といいます｡｣
｢龍光といいます｡ごゆっくりしていってください｡｣
｢はい｡･･･とりあえず総司の治療が優先だな｡｣
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