「 」

 2009-08-30投稿
閲覧数[472] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「……………今、5時10分です」

「そうですか、じゃあまだ明るいんですね」



時間感覚が麻痺しているんだろう、目が見えない状態でこんな所に何時間も居れば当たり前か。








ん?




というか、コイツは見えない目でどうやってここまで来たんだ?


っていうか、何で俺だって分かるんだよ。






「ところで気付いていますか?」


………何が?


ソイツは立ち上がって捨て台詞を吐いていった。

「サンダルから変な音がしてますよ?」



「サンダル? あ………」



気付かなかった、





画鋲が刺さっていた。






確かにこれなら目が見えなくても分かるだろうが………俺には無理だ。


静かな病院とはいえ、多数の足音な中で俺を判別するのはかなり難しい筈だ。




だけど、不可能ではない。







「怪我じゃないのか………」



人間ってのはどこか引っ込むとどこかが出っ張る、どこかの器官が不能になると、どこかの器官が発達する。



しかし、そんなにすぐになるわけじゃない。




つまり、篠原は目が見えなくなって永いという事だ。






なら、何で包帯で目を隠しているんだ?



目が見えないっていうなら、何でワザワザ包帯を巻いているんだ。











盲目の少女




傷を持つ少年










誰も分からない








誰にも予想できない














その物語の最期は………



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 G 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ