DRAGON LOVER 23

木村蜜実  2009-08-31投稿
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(エリンが戻る前に、風呂でも入って、頭ひやそう。)

そう思い、僕はバスルームへと入る。

もしも、僕等の力を知っているとなれば、王は黙ってないだろう。
なるべく、その話を出さないでいてもらいたい…。と心の中で呟く。

考えてるうちに、どうやらエリンが帰ってきた。
何か叫んでいる…。

「あ〜ここにいた〜。」

ドアを開けて、ヘラヘラと笑うエリン。

「なっ!なんで開けんだよ!閉めろ!」

僕は思わず手で隠す。
(俺は女か?!)

「ありゃ〜なんで怒ってるの〜?」
(…?なんか変だ。)

「お前…。酒飲んだのか?」
エリンから酒のニオイがする。

「え〜ちょっとね〜。」
フラフラしながらドアを閉める。

(バカったれ!)

僕は急いでタオルを巻き、部屋へ戻る。

エリンはベッドにそのまま横たわっていた。

「エリン、せめてパジャマ着ろ!」

エリンを揺さぶり起こす。

反応ゼロ………。

(ダメだこりゃ…。)

エリンに布団を掛け、僕はパジャマに着替える。
別々のベッドで寝ようと思い、僕は空いてる方へ体を横にした。

「ハーン…。」
エリンが呟く。

「なんだ?やっぱ着替えるのか?」
僕は体を起こし、エリンを見た。

「…。こっち来てよ。寂しい。」
甘えた声で、布団の隙間から顔を覗かせる。

「てか、着替えろ。服がグシャグシャになるぞ。」
僕はエリンの布団に手をかける。

「ハーン。あたしの事、どう思う?」
エリンの手が僕の手に触れる。

「どう…って、好きだよ。」

「そうじゃなくて…。」

「なんだよ、他にあんのか?」

「だから…。あの…。」

今にも泣きそうなエリン。

「どうした?」

「あたしの事、重荷になってるかと思って…。」
我慢しきれなく、涙を流す。
僕は優しく指で拭きとる。

「どうして、そう思うんだよ。そんなことないのに…。」

「あたしの耳の事も、あたしがペンドラゴンなのも、ハーンにとって苦しい事じゃないかって…。」

僕は、エリンを抱きしめ

「お前、飲み過ぎたろ…もう横になれ。」
そう言ってエリンを寝かしつけようとした。

「やだよ…。ねぇ…、愛してるって言ってよ…。」

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