ほんの小さな私事(82)

稲村コウ  2009-08-31投稿
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その夜、私は藤沢さんと二人で食卓について夕食をとっていた。
祖父は今日、檀家回りという事で、夜遅くになるらしい。
一方、潮は、友達の所に宿泊してくるという事で、今日の夕食は、藤沢さんと二人だけでの食卓となった訳である。
「あらまぁ、色々大変だったのね。それにしても、山下さんとこの和代ちゃんが行方不明だって?変な事件に巻き込まれてるとかじゃなきゃいいんだけどねぇ…。」
同じ町内ということもあってか、藤沢さんも、山下さんの事は知っている様で、私が今日の事について話すと、そう言って心配した。
「一応、先生方には、山下さんの事はお願いしてきたのですが、やっぱりそれでも、今どうしているのか…と思うと、心配で仕方ありません。」
そう喋っていると、不意に廊下の電話が鳴り響いた。藤沢さんが即座に反応し、廊下に飛び出し、電話に出る。
それから暫くして、藤沢さんが戻ってきて私に言った。
「高野さんって方から電話よ。」
「あっ…はい。」
一体何だろう?もしかしたら、山下さん無事、見つかったのかもしれない。
そう思ってすぐに電話に出る。
「沙羅ちゃん?あのね…カズちゃん、まだ帰ってないんだって。」
「そうですか…。」
やはりまだ、山下さんは見つかっていないようで、不安は募る一方であった。

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