【宇宙怪獣】
人類の人口超加による政策、〔生存惑星増加計画〕の過程で発見された宇宙生物。その身体構成は個々に分岐し、あるものは鳥に、あるものは魚に、あるものは猛獣、または奇怪なキメラの様に姿は様々。
そして、そのバラバラの風貌とは違い、彼らにはある共通点がある。それは・・・
【絶対的再生力】だ。
――っと、要はそうゆう内容の事を長々とナナコちゃんは俺に説明してくれた。これ(WINGMAN)の自慢話をふまえながら。
『・・・でね♪、この子は〜アタシと、ガイとの三人でね〜♪エヘヘッ♪』
まだまだ続く自慢話に少し余裕をこめて、【宇宙怪獣】をクローズアップした画面に指を指し
『〔こおゆうの〕をいっぱい倒して来たんだよ〜♪』
と言った。勿論、混じり気なしの満面の笑みで。そして、一方俺は、もう〔ポケ〜〕な状態である。てか、思考限界・回想皆無。
『・・・じゃあ、行きましょう♪』
「どこに?」
『当然♪あの悪い子を懲らしめに♪』
「なんで?ナナコちゃんだけじゃできないの?」
『ん〜、できなくもないんだけど・・・それは、さっきみたいになっちゃうから♪』
「さっき?・・・あ!」
あの天井から生えてた、コイツの腕の事か・・・。
『・・・う〜ん、じゃあ!私が行ってくるから♪ガイはここにいて♪』
「え、いいの?」
『多少、性能差がでるけど〜、ガイがこの子の中いるだけど充分だから♪』
「あ、でも・・・。」
言おうとしたところで、ナナコちゃんは消えた。多分、ワープとゆうやつだろう。
「〔充分だから〕・・・か、あの子って本当にいい子だな〜」
何もない所にそう呟く。
はじめは誘い、そして相手に理由があったなら、それをふまえて、自分の身を削っても人の為に尽くす。
「あ〜俺は・・・せいぜい微生物だな。」
必然にそうおもった。自分より小さい女の子が【宇宙怪獣】とやらに【お仕置き】をするのだから・・・。自分が小さい、小さいすぎる。
その時、空虚で無骨なこの部屋に ビ〜 とヘンチキな音がなった。どうやらスピーカーの起動音のようだ。
「「じゃあガイ♪本当にいってくるよ♪」」
スピーカー越しに聞こえる彼女の声に、妙に心がうたれる。お仕置き、戦闘が始まる。