幼なじみ3

フラン子  2009-09-01投稿
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「じゃーな。気つけて。」
勇はあっけらかんとした表情でそう言うと、左手を少し上げて反対のホームへ行ってしまった。

「何なのアイツ。自分だけ大人ぶっちゃって。」

私はホームへ出て、反対ホームで電車を待つ勇に向かって叫んだ。

「アホ勇!」

叫んだ瞬間、勇の顔が鬼のようになったが、間に電車が着たので飛び乗って逃げた。

「また遭うこともなかろう……。」



その日の朝、当たり前だが遅刻して、先生に『バツとして明日は校門で挨拶運動しろ』と言われた。



次の日の朝。いつもより1時間早く玄関を出ると、嫌な予感がした。

駅へ向かって歩きだすと、その予感が的中した。


前方にスポーツバック野郎を発見……。

私は気づかれないように少し後ろを歩いた。
住宅の角を曲がると、驚きの余り声すら出なかった。勇がこちらを向いて立っていた。


「び……っくりした。」

「何こそこそしてんの?カーブミラーにしっかり映ってたけど。」

……恥ずかしすぎる。

私がモゴモゴ言ってると、勇がまた隣に来た。

そして頭を小突かれた。

「なんでオレが『アホ勇』?」

少し上から睨まれた。

何も言わずに首をかしげると、

「まぁ、いいや。」

そう言って許してくれた。

本当に勇は大人になってる。まだ子供な私とは違いすぎる。

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