チンゲンサイ。?

麻呂  2009-09-01投稿
閲覧数[512] 良い投票[0] 悪い投票[0]


『あなた、どうするつもりよ?!

リョウとユウ。2人共、今年は受験生なのよ?!

そもそもあなた、私に何も相談してくれなかったじゃない。
1人で決断して、事後報告じゃ、納得出来ないわよ!!』


今回ばかりは、さすがの妻も、感情的に俺を責める。


次長と課長は、結局俺を説得出来ずに帰って行った。


アイツらも、これで肩の荷が下りただろう。


これで“引き留めた”と言う事実が成立した訳だ。


パートのババァ共が、アイツら会社側に同情する様に仕向ける目論見が、見え見えだ。


明日には、俺はパートのババァ共に、こう噂されているはずだ。


“出来ない部下を持つ上司も苦労するわよねぇ。”


噂したけりゃ、するがいい。


俺はもう、こんなクソみてぇな会社にいる気は全くない。


『あなた、聞いてるの?!

リョウとユウに、進学を諦めろとでも言う気?!』


妻は、普段はおとなしい女だが、1度感情的になると手に負えない。


『そんな事言っていないよ。

これからの事を君と話し合いたいと思っていたんだ。

無責任な事はしたくないからね。

ただ、俺は、何の考えもなしに、会社を辞めた訳ではない。』


これは紛れもない事実だ。


現場へ下ろされてからは、ずっと、辞表をカバンの中に忍ばせていたのだから。

俺がこの会社を辞めるのも、時間の問題だったと言う訳だ。

『何の考えがあるって言うのよ?!

この御時世だもの、その年で、正社員として再就職するなんて無理よ!!』


『大学時代の友人が、システムエンジニアをしていてね。

誘われているんだ。』


長く畑違いの仕事をしてきた俺が、元々は、システム開発課にいた事など、


きっと、妻も忘れているだろう。


『あら。あなた、そんな事が出来たんでしたっけ?!

忘れてたわ。でも、あなたがシステム開発課を異動になって、何年も経っているのよ。

今のあなたに出来るのかしら?!

どこの部署へ行っても、まともに続かないじゃない!!』


俺が妻と別れるのも、恐らく時間の問題だろう。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 麻呂 」さんの小説

もっと見る

その他の新着小説

もっと見る

[PR]
〇beauty hand〇
海外セレブに人気


▲ページトップ