初恋 5
ひとみは続けた。
「生まれて初めての海で“隆に泳ぎを教えて貰う”って喜んでいたのに、隆がそんなんじゃ、全然楽しく無いし、スージーが可哀想じゃない?」
「……ゴメン、ひとみ。誰も悪くない。イヤ、俺が悪いんだ!」
やっと隆が口を開いた。
「俺だって、スージーと泳ぐのを楽しみにしてたよ!ただ……」
「ただ、何?」
「ゴメン、それ以上聞かないでくれ!」
その時、勇二が遊ぶの止めて話を始めた。
「お〜い、皆聞いてくれ。7時半になったから、お化け屋敷へ行くぞ!」
「ええっ、本当に行くのかよ」
「怖いなあ!」
スージーが、ひとみの傍に来て言った。
「“オバケヤシキ”って何?ヒトミ」
「砂浜の、海の家に有ったでしょ、骸骨の絵が書かれていたところ。真っ暗だから、怖いよ!」