遠い遠い君へ

くろた  2006-07-29投稿
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運命というのは唐突だ。
今まで人を好きになったことのない私にとっては、
あまりにも過激すぎる出会いだった。
ましてや一目惚れなんて・・・。

きっかけは地元の中学でやった音楽交流会。
私の中学校の吹奏楽部、小学校金管部、名門高校吹奏楽部での
合同練習をするという内容だった。
私はパートリーダーだったため、
名門吹奏楽部の控え室まで、自分と同じパートの先輩方を
呼びに行かなきゃならなかった。
少しばかり人見知りの激しい私にとっては困難すぎる仕事だ。
(あ〜、どうしよう。。。)控え室のドアの前でオロオロしていると、
「ポンポン」と肩を突かれた。
「ヒッ!!」声にならないような悲鳴を上げ、私はその場にくずれ込んで
しまった。
「だ、大丈夫?」私の肩を突いた主が顔を覗き込んできた。
小麦色に日焼けした肌。垂れ目の印象的な目。
とにかくイケメン。

私は固まったまま返事が出来なかった。
だって、こんな胸の高鳴りは初めてだったから。
あまりの激しさにメマイを覚えるほどだった。
「お〜い。」
彼の二言目で私は我に帰った。
「あ、大丈夫です。。。」
「あはは。良かった良かった。立てるか?」
そう言うと、彼は私の手を掴んで、引っ張り立たせてくれた。
暖かくて、ゴツゴツした手。いかにも男って感じだった。



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