眠れぬ夜は君のせい〜46〜

ユーリ  2009-09-01投稿
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携帯が鳴った。


慌てて鞄から携帯を取り出して出た。


「もしもし」

「久美子?」


電話は真紀だった。


さっきの光景が頭をよぎり固まった。


「真紀?久しぶり…びっくりした。」


真紀とは佑典と3人で会った日以来連絡をしてなかった。


「久美子、今どうしてる?真紀は今日徳島に帰ってきたんよ。」


「今徳島で暮らしてないの?」


真紀はハッキリとした声で言った。

「うん。去年から京都で暮らしてる。今日は里帰りやわ。」


ダメだ…なんか手が震えてしまう。
声も一緒に震えそうになった。


「真紀…京都で居てるんや…さっ、里帰りって結婚したみたいな言い方やからびっくりしたやん」


真紀は電話の向こうで少し笑った。


「そう…結婚してるよ籍だけ入れたんよ。」

その瞬間、頭に重い塊がドスッと音をたて落ちた気がした。



「久美子、もう昔の話やから許してな。
佑典と結婚してん。今日一緒に帰ってきたんよ。」


笑おうとしたけど
笑えない。


「今日久美子時間ある?久しぶりに会いたいなあ。」





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