幼なじみ9

フラン子  2009-09-02投稿
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アルバムを見終わると、勇は満足そうにこちらを向いた。

「今度勇のアルバム絶対見てやる。」

「……まぁ、別にいいけど。お前なんか電話で怒ってなかった?」

「怒ってないし。怒る理由すらない。」

本当に怒ってはいない。ただ嫉妬みたいな感情が再発してきて、勇の顔をうまく見れずに手元のクッションを見た。

しばらく沈黙になり、気まずい空気になりそうだったので勇の顔を見ると、勇と目が合った。

少し困った顔をしてる。


「勇、変な顔になってるよ。」

そう言うと勇が少し笑ったのでホッとした。

「あー、今日の試合疲れたー。眠いから帰るわ。」

「あ、お疲れさま。県の大会も頑張ってね。」

すると、帰ろうと腰を上げかけた勇の動きが止まった。

「オレはその言葉が聞きたかったんだよ。お前はツンデレか?」

そう言うと勇は満面の笑みで私の頭の上に手をポンとおいた。

なんだか妙な雰囲気だ。勇の手が頭からスルッと私の髪をとくように離れた。

「髪、伸びたな。」

「う、うん。」


やっぱり変な雰囲気だ。胸の奥がかゆくなる。

「じゃーな。」

…………バタン

勇が帰った。
また心臓が鳴り始めた。

「死〜ぬ〜」

私はベッドに倒れこんだ。

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