初恋 6
「ええっ!一人で入るの?」
「心配しないで!男女ペアで、スージーのパートナーは、隆だから。ネっ、隆!」
「…ええっ?もう決まっているのか?」
「今決めたの!学級委員の特権で、私が決めた!文句有る?」
「……」
「今日は、隆のせいで、皆が迷惑を受けたんだから、少しは私の言うことを聞いて!」
「そうだぞ、隆!お前は、スージーと廻って来い!」
勇二も、命令口調で言った。
「……うん、分かった」
隆は、観念した様に顔を上げ、顔を赤らめて、スージーの顔を見た。
スージーは“タカシと”と聞いて、ホッとしたものの、いつもとは違う隆の表情に、心から安心は出来なかった。
「タカシは、ワタシとでは、嫌なの?」
「……。ゴメン、スージー!そんなことないよ!俺が、エ?エ?エス?エスコート?するよ!」
慣れない英語を、恥ずかしそうに話す隆に、3人は、大笑いした。
「隆!“エスコート”って意味、分かってるの?」