僕はたまらなく
その子が好きだ。
長い年月、気持ちを
押し込みながら
その子とは接してきた。
「何故か。」って？
もちろん、嫌われたくないからだ。
いつも僕の前では
笑顔でいてくれて
長く黒い綺麗な髪は
常に良い香りがしていた。
僕は気持ちを
伝えるつもりもなく
仲の良い関係が
気に入っていた。
このままで良い。
僕は本気で
そう思っていたんだ。
ある日、
その子の友達だと言う子が
仕事場に来た。
前触れもなく
いきなりだ。
話を聞いたら
なにやら
彼女が僕に会って
話しがある
との内容だ。
時間と場所を決めて
友達は帰って行った。
「強引だな。」
そう思うのと同時に
胸がドキドキしている
自分に気付いた。
「そりゃ、
期待するって。」
約束の時間が
近づくにつれて
嫌なことを
考えだしていた。
「良い話だと
誰が言ったんだ？
もし…、もしだけど、
悪い話だとしたら
何かしたかな。」
期待より不安が
大きくなってきた頃
約束の時間がやってきた。
「あの…。」
彼女が声をかけてきた。
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