「そういえば、北川さんも感想書いてたよね」
「そうそう! なんか意味深なこと書いてたし……もしかしてアイドルとケータイ作家が恋に落ちたりして!」
「マジあり得るかも!!」
芸能事務所に所属する北川さんは、最近テレビでも見かけるようになってきた駆け出しのアイドルだ。
僕には到底手の届かない存在なのだけれども、まさか北川さんが僕の小説にあんな感想を書いてくるなんて……。
あっ! 北川さんだ!!
「おはよう!」
「おはよう」
今がチャンス!
「あの……」
「えっ? 安部くん??」
「じ、実は……」
「ごめん、もうすぐ授業だから」
「き、北川さん……」
そして阿部和義は、今日も新作を更新するのだった。