リレー小説「秘密」:木村蜜実

木村蜜実  2009-09-02投稿
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「えっ?」

ユーリは箸を止め直子の顔をうかがう。

直子の表情は少し怖い感じに見えた。

「海の家のオヤジが言ってたんだ。」
(…あのおっさん…オシャベリ!!)

こうなったら、適当に理由を作るしかない。

「そうなの?なんかさ〜昨日の子どうなったのかな〜って思ってさ…。」

直子はこちらを見ない。
ユーリは目を合わせない直子に、不信感を抱く。

「そうなの。ユーリ、あんまり突っ込んだ事しないほうがいいんじゃない?」
直子の瞳がおよいでいるのをユーリは見逃さなかった。

「そうだね、気をつけるよ。」

「まったく、心配ばかりかけて。あの子みたいになったらどうすんのよ…。」

(あの子みたいになったら…?)

ユーリは直子の話す言葉を脳裏に焼き付ける。

直子は何かを知っているに違いないと確信する…。

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