「えっ?」
ユーリは箸を止め直子の顔をうかがう。
直子の表情は少し怖い感じに見えた。
「海の家のオヤジが言ってたんだ。」
(…あのおっさん…オシャベリ!!)
こうなったら、適当に理由を作るしかない。
「そうなの?なんかさ〜昨日の子どうなったのかな〜って思ってさ…。」
直子はこちらを見ない。
ユーリは目を合わせない直子に、不信感を抱く。
「そうなの。ユーリ、あんまり突っ込んだ事しないほうがいいんじゃない?」
直子の瞳がおよいでいるのをユーリは見逃さなかった。
「そうだね、気をつけるよ。」
「まったく、心配ばかりかけて。あの子みたいになったらどうすんのよ…。」
(あの子みたいになったら…?)
ユーリは直子の話す言葉を脳裏に焼き付ける。
直子は何かを知っているに違いないと確信する…。