駅前には、数軒のインターネットカフェが有った。その中でも、小規模の、人が少なそうな店を選んで息を切らして入った。
狭い個室に入った―\r
椅子に座ると、直ぐにインターネットに接続した。
URLを入力し、サイトの入口に辿り着いた。
そこには、十八禁・会員制と有り、パスワードを入力し、ログインする枠が有った。
メールに有ったパスワード、900019を打ち込んだ。
次の瞬間―\r
目を覆いたくなる様な、卑猥な画像が飛込んで来た。
意識朦朧とした私が、全裸で股を開き、中川の隠部を口に含んでいる所だった。
投稿者のコメントも添えられて居た。
『最近、飼っている猫が言う事を聞かないので、調教し直さなければいけません。また、報告します。』
画像を見てしまったショックで、無意識に私は、パソコンの電源を落とした。
携帯電話を手に取り、淳に電話を掛けた。
淳に助けを求めたくて、私は必死だった。
「もしもし?」
電話に出たのは、淳では無く、彼女だった。
「あっちゃんは・・・?」
「お風呂に入ってる。何か用?」
「お風呂・・・?」
彼女は、私の言葉に動揺する事無く、堂々と答えた。
「ええ・・・。淳さんは、今日、あなたの所には帰らないわよ。用が無いなら、切るわ・・・。」
「待って・・・。」
その時―\r
後ろから、淳の声が聞こえた。
「電話?七星の電話か?」
「うん・・・。タオル、そこに有るから使って。」
「ありがとう・・・。」
淳の声を最後に、電話は一方的に切れた。
暫く、私は動く事が出来なかった。
私は、直ぐにもう一度携帯電話を手に取り、中川に電話を掛けた―\r
私の卑猥な画像を削除して欲しい気持ちと、裏切られた淳に対する、腹いせの意味も有ったのだと思う―\r
「香里?電話くれると思った・・・。画像見たの?」
「ええ・・・。どうして、あんな事を?」
「香里が、約束破っちゃうからだよ。削除しても良いよ。今から、逢えるなら。」
「解った・・・。どこに行けば良い?」
「三十分後に、いつものホテルで待ってる・・・。」
私は、ネットカフェを急いで出ると、待ち合わせのホテルへと向かった。