そう言いながら私は自分がトンデモナイ発言をしていることに気付いた。
勇を見ると、唖然としている。
「な…なんちゃって。」
なるべく冗談っぽくしてみた。
勇は手元のDVDを見つめ、それを棚に戻し始めた。
「え?マジ?」
私がそう聞くと、
「安上がりでいいじゃん。」
と勇が答えた。
私はめちゃくちゃ動揺してるのに勇は平然としている。
やっぱり幼なじみは男女の枠を越えていて、異性としてみられてない気がする。
会計を済ませ、二人で自宅まで歩いた。
会話はほとんど痴話喧嘩みたいな感じだ。
「お邪魔しまーす」
勇は勝手にリビングのテレビをつけて、DVDをセットし始めた。
「もう観るの?私まだ夕飯食べてないよ。勇は食べた?」
「おう。家で食べた。…うーん、じゃあ、花が飯食い終わるまで、お前の部屋でゲームしてる。」
「わかった。」
勇が二階に上がっていった。
階段を登る足音が家中に聞こえる。家のなかに私たちだけだというのがよく分かる。
私はキッチンへ行き、ひとつ深呼吸して、夕飯を作り始めた。