desteny??

meeco  2009-09-03投稿
閲覧数[269] 良い投票[0] 悪い投票[0]

インターネットカフェを出て、タクシーに乗り、約束のホテルに着いた。
ラブホテル―\r

目黒に有る、有名なSMホテルだった。

最初に、中川に呼び出されて、逢った場所は、一流ホテル、マンダリンオリエンタルだった。

それから、頻繁に逢う様になってからは、必ず此処で逢った。

ここまで来たら、もう、何も恐い物は無いと思った。

腕時計は、午前二時を指して居た。

伏せ目がちに、ホテルの前で、佇んで居ると、向こうから、車のエンジン音がこちらに近付いて来た。

中川の車、SLKだった。

運転席の窓が開き、中川が私に車の中から、声を掛けた。

「待った?」

私は、静かに首を横に振った。

「車に乗りなよ、駐車場に車入れるから。」

言われるまま、助手席に乗り込んだ私は、無言で、中川の横に座った。

車は、ビニールで出来た暖簾をくぐり、ホテルの駐車場で、中川は、エンジンを切った。

私は、助手席の扉を自分で開き、扉をバタンと閉めた。

「眠い?」

中川は、私に気遣う様な素振りを見せた。

「ううん・・・。眠くない。」
私は、一言だけ、そう答えた。

フロントに入り、中川は、全面鏡張りの部屋のパネルを私に伺いを立てる事無く、押した。

203号室―\r

パネルが点滅していた。

淳は、今、七星と言う、別れた彼女とセックスしている―\r

私の勝手な妄想は、そう決め付けて、トグロを巻き、何度も、何度も、頭の中で、輪廻していた。

それ以外に考える事は、何も無かった。

エレベーターを、二階で降りると素即さと、中川は、部屋まで歩いて行った。その後を、遅れて私も追った。

部屋に入ると、眩しい位、全面が鏡張りだった。

靴を脱いで、一段上がると、数歩歩いた先に、大きなベットが目に入って来た。

淳の顔が、一瞬、脳裏に浮かんだ―\r

私は、直ぐさま、それを消し去った。

中川は、勢いに任せて、目の前の、その大きなベットに私を押し倒した。

「俺が、本当に香里の写真をネットに流すなんて、思わなかったろ?」

「削除して・・・。直ぐに。」
「良いよ・・・。最近、香里が俺の言う事聞かないから、罰だよ・・・。良い娘にしてるなら、そんな事しなかったのに。最近、淳って奴と逢ったんだろ?だからか・・・。そいつに俺の事、話したんだ?そうだろ?」

胸の鼓動が、大きく波打っていた。

「どうして、私が、あっちゃんと逢ってるって知ってるの?」

「俺が誰と付き合ってるか知ってんだろ?麗華が親切に教えてくれるからさぁ。あんまり、俺を甘く見ない方が良いと思うよ?香里。」
中川の言葉に、震えが止まらなかった。



i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 meeco 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ