そのネコミミの女性は話し始めた。
「2ヶ月前、私は死にました。ふいに道路に出てしまったのが原因です、私の不注意なので、私を引いた車の事は怨んでいません。」
2ヶ月前?それ聞き覚えのあるような・・・そんな事を考えながら聞いていた。
「そしてボロキレのようになって、私は死ぬのを待っていました、しかし、そこにあなたが来たのです。そしてあなたは私をフカフカのタオルに包んで血まみれの私を優しく撫でてくれました。」
すると彼女の目から涙が零れた。
「嬉しかった・・・一時でも、私は幸せと安心に包まれる事が出来たのです。」
そう言いながら、取り込んでいた洗濯物のタオルを手に取り、それを笑顔でぎゅっと抱きしめた。
「だから、次は、私が何かをタカトさんにして上げたい、そう願っていたら、この人間の身体と着物姿、になっていたのです、」
「つ、つまり君はあの時の猫・・・なの?」
「はい、そうですよ♪」
その女性は笑顔で答えた。
「でも・・・恩返しと言われても俺は何にも・・・」
そう言おうとすると、彼女は笑顔でもたれ掛かって来た。
俺が顔を真っ赤にしているのも関係なく、
彼女は擦り寄って来た。
「いいえ、あなたは私に幸せと安心と居場所、沢山のものをくれましたよ♪ありがとう♪」
彼女の声、香りはとても
落ち着く。
「で、でも猫の手を借りる困っては・・・」
俺は動揺するあまり意味不明なことを口走っていた。
「あぁそれは大丈夫です、この身体になった時、どう言うわけか一通りの人間の生活知識は持っていましたから。
掃除、洗濯、料理、何でも出来ますよ♪」
「そ、それは便利ですね・・・」
「はい♪ も、もちろん、夜のお仕ご・・」
「わー!わー!もういい、わかったから!じゃあ、家事全般お願い出来ますか?」
「はい♪ふつつか者ですがよろしくお願いしますにゃん♪」
「こ、こちらこそよろしくお願いします。と、とりあえず今日は寝ましょうか」
「え、いきなりですか!わかりました、私、床上手に・・」
「わー!わー!そういうのはいいからもうねよう!ね!」
顔を真っ赤にしながら自分と予備の布団を敷いて眠った。
夢だ、これは夢だ、朝起きればいつも通りなんだ。おれは唱えるように眠った。