生きる

えり  2009-09-04投稿
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それは酷い衝撃音で

ほんの一瞬の出来事で

それは少しずつ意識を奪っていった

ほんの少しだけ硝子がキラキラ光っていたような




どれだけ経ったのか

白いベッドの上で

ゆっくりと意識が戻ってゆき


生きていると


そこには
涙が溢れていて


こんなにも生きていたいなんて




隣には
誰かが置いてくれたぼろぼろの鞄


私の鞄



全身の痛みに耐えながら
大量の薬を取り出した


事故に巻き込まれたあの日
飲むはずだった薬

生きてはいけないと放棄する事を決めたあの日


偶然だった

偶然に助けられて

今ここにいる


生きていきたい



掌に包まれているものを
放棄し


私はゆっくりと微笑んでいた




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