それは酷い衝撃音で
ほんの一瞬の出来事で
それは少しずつ意識を奪っていった
ほんの少しだけ硝子がキラキラ光っていたような
どれだけ経ったのか
白いベッドの上で
ゆっくりと意識が戻ってゆき
生きていると
そこには
涙が溢れていて
こんなにも生きていたいなんて
隣には
誰かが置いてくれたぼろぼろの鞄
私の鞄
全身の痛みに耐えながら
大量の薬を取り出した
事故に巻き込まれたあの日
飲むはずだった薬
生きてはいけないと放棄する事を決めたあの日
偶然だった
偶然に助けられて
今ここにいる
生きていきたい
掌に包まれているものを
放棄し
私はゆっくりと微笑んでいた