初恋 8
その時、2人の前を、火の玉が横切った!
「ギャー!」
スージーは驚き、隆の右肩に、しがみ付いた。
その時、スージーの胸の膨らみが、隆の右腕に触れた。
2人は“ハッ”として、直ぐに離れたが、遠くで光る、骸骨の目を見て、再びスージーは、隆にしがみ付いた。
「ネェ、タカシ。ずうっと、こうしてて良い?」
「あぁ、良いよ」
2人の心臓は、恐ろしさと、お互いを意識して、高鳴っていた。
出口まで2人は、肩を寄せ合っていたが、お互いに手を放し、外へ出た。
「オー!無事に帰って来たか!」
勇二が2人を出迎えた。
「スージー、どうだった?」
ひとみが声をかけると、スージーは、ひとみにしがみ付いた。
ひとみは直ぐに、スージーが震えているのに気が付いた。
それは、恐ろしさと、隆を意識してのものだった。
「スージー。もう大丈夫だよ!」
そう言って、スージーの背中を“ポンポン”と叩いた。