ガバッ!
あたし、寝…!
「高野ー」
ぎくっ。
やば、また説教が。
今日はなんて嫌な日なん…
「次の英文読めー」
あ、違った。
って、次の英文っていってもっ(汗)
こそっ…
「67ページの、"One day"…から」
「えっ、?」
ページを告げて、何も無かったように横をむく少年。
今の…誰?
「高野ー早く読めっ」
「あっ、は、はい」
慌てて席を立ち、67ページをめくる。
「わ、One day a rich man came to Mother Teresa to give her some land…」
†*†*†*†*†*†
「よし」
はあっ、
とため息をついて席に着く。
よかった。………あ。
「あ…あの…」
「ん?」
隣の席に、見た事のない少年が座っている。
「あ、あの、ありがとう」
「ああ、教科書」
コクンと頷くあたし。
ってことは…この人があたしを
つついてたのかな
「あんた、なかなか起きないから焦ったよ」
ぼっ。
葵の顔が赤くなる。
「あ…あたし…今日はしょうがなくて…」
しどろもどろになりながら慌てて弁解する。
「ふ」
ああっ、笑われた…
「て、いうか、あなた、なにっ」
「星奏多」
「…は」
名前っていうか…
そういうんじゃなくて…
あれ…あたし、何を聞きたいんだろう?
まあいっか。
「星…くん?え、あの、なんでここに?」
「…はっ?…ああ、」
その星奏多と名乗る少年は、
一瞬驚いたような顔を見せてから、何かに気付いたように葵に話しかけた。
「そっか…あんた、遅刻したんだっけ」
「!」
がーん。
初対面の人にまで…
「ちがくてっ、あたしのせいじゃなくて。夢のせいでっ!」
「夢…?はははっ、面白い仔だなっ。童顔だし。」
が、がががーん。
さらに1番気にしてる事まで…。
もう返す言葉もない。
そんな葵を気にもかけず、奏多という少年はずかずかと葵に話しかけてくる。
「そういや名前なんてーの?」
葵はうなだれながら、
「葵…高野葵…17才フリー…」
なんて変な自己紹介をしてしまった。