最近、携帯の調子が悪い。そんなに古いわけじゃないのに…
フリーズしたり全く電波が入らなかったり…
信号待ちで時間を確認する。
「また圏外かよ…」
時間は零時をとっくに過ぎている。
まぁこの時間なら問題ないか…
そう思いながら携帯をしまい前の車をぼんやりと眺めていた。
家まではまだ少し距離がある。着く頃には一時を軽く過ぎるだろう。
周りには自分以外ほとんど走っていない。静かなものだ。
少し急ぐか…少しスピードを上げ家路を急いでいると携帯が鳴った。
こんな時間に誰だ？
スピードを緩めながら携帯を取り出し横目で確認する
画面には見慣れない表示が出ている…
…？なんだ？
とりあえず電話に出ようと車を路肩に止め携帯を見た…
『表示出来ません』
…なんだコレ。…しかも圏外のままだぞ
あり得ない現状に理解できない恐怖に襲われる。
訳がわからず固まっていると電話は切れた
こ…故障か？早めに変えなきゃ不味いな…
「……が…さ…ない…」
不意に後ろの方から声が聴こえた。
振り返るのも怖くなりバックミラーも見ないようにして夢中で飛ばして帰った。
家に着くとまた携帯が鳴った…画面にはまた同じ文字が表示されている。
恐怖で身体中の力が抜けていく
鳴り続けている携帯を車に置いたまま逃げるように玄関に転がり込んだ。
「なんなんだよぉ…」
恐怖で泣きそうになりながら呟いた。
…ガコン
ドアに付いている郵便受けから…
置いてきた筈の携帯が投げ込まれてきた。
「…ひっ！…ひぃぃ！！」
声にならない悲鳴
途切れる意識
あまりの恐怖に気を失ってしまっていた。
気がつくと室内は明るく朝になっていた。
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