「いきなりキスされた夜は舞い上がって眠れなかった。『やっと両想いになったんだ』と思って。でもそれから連絡待ってもこないし、部活忙しくて会いに来れないし。『あのキスに深い意味はなかったのか』って思ったけど、前みたいな関係には戻れないと思って。これはちゃんと告白してみるしかないと思って……。」
思いがけない告白に私は驚いた。
「勇が私に、一目惚れ?なんで?」
「お前自覚してなさそうだから言うけど、お前結構成長してるぞ。髪はキレイだし、手足は長くなってるし……き、キレイになってる…と思う。………だぁー!ダメだ、オレ、恥ずかしすぎて…」
勇が自分で言って自爆している。顔を両手で隠して後ろに倒れこんだ。
いつも大人びて見えていた勇がいきなり子供っぽく見えて少し笑ってしまった。
「何笑ってんだよ。まだお前の気持ち聞いてないよ。振るんだったらハッキリ言えよ。」
勇は寝そべったまま、自分の肘を枕にしてこちらを見ている。
私は何も言葉が出てこない。何をどう伝えればいいのか分からないけど、どうにかして伝えないと。
私は勇の隣に寝そべってみた。
勇は驚いて少し身を引いた。
「花?!」