「ど、どうした?」
勇が固まっている。
「珍しく動揺してる勇をちゃんと見とこうと思って。」
「性格悪っ」
そう言って勇が自分の手で目を被った。
弱った勇が可愛いくて愛しくなる。
「……勇。」
「ん?」
そう言って目を開けた勇の頬に軽くチューした。
勇は頬に手をやり、
「勝手に2回もキスしやがって」
と顔を赤くしている。
勇の手が私の頬を触り、首に回り、思い切り引き寄せられた。
目の前に勇のドアップがある。
「勇、好……」
「好き」と言い終わる前に勇に唇を奪われてしまった。
ゆっくりとお互いの気持ちを確かめ合うようなキスだった。
ギュっと勇の広い肩に抱き寄せられた。
勇がもう一度キスしようとしてきた瞬間、
「花ーー!勇ちゃーん!スイカ切ったけど食べるー?」
下の階からお母さんの暢気な声が聞こえビクっとした。
「親いたの忘れてた。」
勇が小さく舌を出した。
二人で起き上がり、リビングへ行った。
「あら、あなた達二人して頭にねぐせ付いてるわよ。またプロレスでもしてたんでしょ?」
「まぁ、そんなとこ。」
そう言いながら後ろでコッソリ手を繋いでいる二人だった。
end