赤ん坊の頃、両親に捨てられた僕は孤児院で長時間労働を強いられ続けられた。それに教区吏が僕を赤ん坊の頃から去年まで雑用として使っていたせいで、孤児の子達とは上手く関係を作れず、いじめられる。
そんなある日、孤児院の子達から<殺人鬼バフ>と呼ばれる年配の男がやってきた。
話によると、バフという名は孤児院の子達が勝手に付けた名で、本当の名前は誰も知らないらしい。殺人鬼というのは、バフに買い取られた少女の死体が街の路地裏に転がっていたという話からきているが、バフは捕まらず、平然と街を歩いていたそうだ。
僕は、そんな事は知らなかった。教区吏は何も教えてくれなかった。
教区吏とはまた違う、新たに感じる恐怖が僕のきゃしゃな身体を震わせた。
彼が僕の伝道者になるなんて……。