―この小説は、ごく普通の中学生の、ごく普通の生活を描く、青春コメディストーリーだ。―\r
優希:「じゃあ、サトル役は莉桜で決定!」
主人公は、二宮莉桜(にのみやりお)。
で、何でこんな会話で始まってるのかと言うと…。
―5分前―\r
優希:「じゃあ…ドリアとドリンクバー5つずつ。」
これじゃない。もっと前だ。
―15分前―\r
優希:「引退会でやる劇の役割決めよ!」
ひとつずつ説明していこう。
まず、『引退会』とは、毎年部活で行われる引退する先輩を祝うパーティーのことだ。
その中で、莉桜たちの学年は出し物として劇をすることになった。
そして、話をまとめているのが城田優希(しろたゆうき)。
最後に、莉桜について。
名前はさっきも言ったが、二宮莉桜。
普通の公立中学―桜ヶ丘中学―に通う、普通の中学生1年生だ。
家庭環境も普通。成績も普通。身長はちょっと低い。左利き。部活はバスケ部。
ただ、普通じゃないものが3つある。
1つ目は運動神経。
これはかなり良い。とりあえず学年1位。
2つ目は恋愛について。
これについては、全く興味がないらしい。今のところだけど。
3つ目は…この後の話を聞いてもらえばわかるだろう。