<殺人鬼バフ>は教区吏と話し合っていた。言い争っているようにも見えたが、教区吏の悪魔のような笑みとバフの冷めたような笑みは、何やら和解したようだった。
僕が作業の手を止めて、その光景に見入っていると、指導係で僕の面倒を見てくれるベルマンが頭を小突いてきた。
「君のせいで配給の量が少なくなるなんて嫌だからな」
指導係だからなのか、本音なのかは知らないが、ベルマンは体を震わせていた。しかし、怒りからではなく恐怖からだった。あのバフの蛇のような鋭い眼は、獲物の品定めをしているようだった。