「…生きてる意味なんか…きっとない。」
カシャン…
咲那は道路のガードレールを乗り越え…。
「いやなことばっかじゃなかった。だけどいやなことが多すぎた。」
トラックが近付く…。
「…て!!待ってよ!!」
「バイバイ…綾香…」
「咲那―…!!」
ドンッ!!
さ…咲那??
ピーポーピーポー…
咲那は…
あたしのせいでいなくなった。
だけどあたしは家族の人たちに自分のせいで事故ったことは言えなかった。
心のどこかで咲那を見下していた自分がいた。
警察は『恋愛のゴタゴタから逃げ出そうとし、誤って事故』というふうにされた。
全部あたしのせいなのにね。
咲那。あたしは先頭に立って歩いたり、誰かを見下すような場所にいたりしたら第二の咲那が出るだけなんだよね…??
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「愛紅さぁ正直嫌われるタイプじゃん!!」
「…あたしはやらない」
「「…え?」」
「あんたたちが愛紅をいじめるのは止めない。だけど…あたしは愛紅と一緒にいる。」
「ど…どうしたん??」
あたしが守りたいのは愛紅じゃない。
自分を…守りたかったんだ………。
咲那に今のちゃんとした自分を見せたかっただけなんだ…
咲那。次はあたしでも人を守れるってこと…見せてあげる…。
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次の日、愛紅が来た。
「おっはよ!!」
「綾香ぁ━━」
「心配してたんだよ??」
「えへへ。ごめぇん」
「ノート見せてあげるね?」
「ありがと━━」
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学校。
「……!!」
「どしたの?愛紅」
「愛紅の靴が…ない…」
ドキッとした。
これってやっぱりさっちゃんと真湖なの??
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今日は靴だけで何事もなく終わった。
よかった。
帰ってみるとお兄ちゃんが彼女を連れてきていた。
「…誰。その人。」
「俺の彼女!!」
「紗絵子(さえこ)です。よろしくね。綾香ちゃん。」「…よ…よろしくお願いします。」
「綾香、俺2年後に紗絵子と結婚しようと思う。」
「ちょっとお兄ちゃん!!いつのまにあんな可愛い人っ!!」
「コクられた(笑)」
「そ…それはいいんだけど!!結婚って!?」
「綾香も2年後は高校卒業だろ??一人になりたいんじゃないかと思ってよ…」
続