チンゲンサイ。?

麻呂  2009-09-08投稿
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――お前ン家、貧乏だから、専門学校に行けないからって、すぐに就職しただろ?!

しかも配属先がシステム開発課で。

それからのお前は、死に物狂いで、独学で勉強していた。

あの時のお前を見て俺、すげぇよコイツって、尊敬してたんだぜ?!――



――……は…は…。昔の話だろ。

結局、他部署へ異動させられたのだから…所詮、俺はその程度の男だったって話さ――



――……………。

そうだ!!お前、俺ンとこ来いよ。

俺の勤務先の会社が今、新しい分野に手を伸ばそうとしているんだ。

お前の様な優秀な人材が必要なんだよ。
俺が口を利いてやるからさ――



――優秀な人材?!
鈴木。お前、俺を買いかぶり過ぎだぜ?!

もしかして、誰かと勘違いしてないか?!

俺が優秀……――



――いいから。

これ、俺の名刺。

今日は、あいにく時間が無い。

近いうち、ゆっくり飲みながら話そうぜ――





本屋を出てからの立ち話にしては長過ぎた。


けれど、鈴木は昔からお調子者でイイヤツだったって事を、

久しぶりに、俺の記憶の中から蘇らせてくれたのだった。



そんな、鈴木とのやり取りを思い出しながら、


俺は、今日もこんな真っ昼間の公園のベンチで、数時間をやり過ごした。



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