16話『逮捕。』
私たちは考えていた。
これからの事を…。
アラタ『俺、いずみのお父さんはわかってくれる気がする。時間はかかりそうだけど。
そんなに頑固一徹には見えなかったよ。まずは、お父さんに俺の仕事を見てもらえないかな。
理解してもらえないと先へは進めないだろう?』
いずみ『そうね。私も協力する。
でもアラタ……
歌手を辞めないでやってく方法はあるの?』
アラタ『あると思う。ただし、お父さんが理解しないと辞め去る負えないだろうね。』
そんな事はさせたくなかった。
メンバーや回りの人間に申し訳ない。
今までの支えが無駄になってしまう。
いずみ『何とか辞めずにうまく行くといいけど。』
アラタ『大丈夫だよ!
俺に任せなさい。』
私はアラタに抱きついた。
いずみ『でもお願い…無茶はしないで。』
アラタ『わかってるよ。いずみ…。』
いずみ『アラタ…。』
私はアラタに抱かれた。
私はアラタが側にいるなら頑張れる。
この想いはもう誰も止める事は出来なかった。
引っ越しまであと2日。
鍵は変えてあった。
アラタが仕事へ出てほんのわずかの時だった…。
玄関でインターフォンが鳴った。
アラタ……忘れ物かな?
……ドアを開けると………
沢渡えりかがいた。
沢渡『この間はごめんなさい。
私、荷物を取りに来ただけなんで入ってもいいですか?』
えっ?荷物って?
いずみ『アラタは荷物を取りに来たの知ってるの?』
沢渡『うん。
今下で会ってオートロック開けてもらったから…。
ホントこの間はごめんなさいね。私どーかしてたわ。』
なるほどね。それにしても…………。
まぁ、いいか。
私は部屋の中へ入れてしまった。
続く…。