ポーカーフェイス (1)

ABE  2009-09-09投稿
閲覧数[479] 良い投票[0] 悪い投票[0]

 この春、私は高校生になった。

 新しい環境に身を置く際の居心地の悪さを、久しぶりに味わった気がする。
 それなりに楽しい学校生活になることを祈りながら、私は最初のホームルームの時間をむかえた。

 クラス全員がそれぞれ自己紹介をしたとき、私は初めて武田雄一郎を知った。なかなかイケメンだとは思ったけれど、それ以上の気持ちは沸き上がってこなかった。彼の自己紹介は無難そのもので、特に印象に残るものではなかったからだ。

 中学時代に仲の良かった友達はみんな別の学校に進学しており、この学校には数人の顔見知りがいるだけ。そのなかでこのクラス内にいる知り合いは、とある女子ひとりのみ。彼女とも別に仲がよいわけではない。
 というわけで、社交性のない私だけれど、一から友達づくりをがんばった。

 二週間が過ぎるころには、一緒に帰宅するくらいの仲間が四人できていた。いままでのパターンから考えると、きっと私はこれ以上ろくに交友関係を開拓しないまま一年間を過ごすのだ。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ABE 」さんの小説

もっと見る

学園物の新着小説

もっと見る

[PR]
ネ申盛れるカラコン
激安1日98円


▲ページトップ