初恋 10
隆は嬉しかった。昼間は、皆に対して、あんなに嫌な思いをさせたのに、こうして、いつもと同じく、ハシャイでくれる友達。
スージーは、こんな俺を、好いてくれている。
“俺もスージーが好きだ!”
“2人の、最高の思い出を作ろう!”と、隆は思った。
お化け屋敷を出てきた、他の友だちも、それぞれ砂浜で遊んでいた。
隆は、スージーを誘って、人気のない、砂浜の外れの方へ、歩いた。
そこには、テトラポットが、無造作に並んでいた。
2人は、その一つに、並んで腰を下ろした。
「スージー!昼間は、ゴメンよ!」
「タカシ。あの時、一人で泳いで行って、頭が見えなくなって、ビックリしちゃったよ!」
「あぁ、あの時か?」
「溺れて、死んじゃうのかと思ったんだよ!ワタシ、何かした?」
「……。あの〜、俺〜、スージーが好きになっちゃったんだ!」
「ええっ?本当に?」
「うん」