鋭く冷たい蛇の眼がじっと蛙達を見つめていた。
その時、僕と蛇は目が合った。
あぁ…なんで何だろう。イエス様、僕を助けて下さい。
「あいつを貰おう」
時が止まった。
バフの声だけが孤児院に響いた。
みんなの息を飲む音する。視線が僕に集まる。
誰もが静まる空気を破ったのは、教区吏だった。
「さぁ、ヨーク。引き取り先が決まった。よかったな」
教区吏の言葉が信じられなかった。悪魔に見入られた気分だった。
絶望の中で、僕は荷物をまとめることになった。 作業を止め、僕は部屋に戻ると、麻で作られた袋に、数枚の銀貨と孤児院で偶然拾ったオカリナを入れた。
ここには思い出が無い。だって僕の袋には、まだ容量があるんだ。でも、もう袋は破れるだろう。きっと僕はバフに殺されるんだ。
重い足取りだったが、僕はバフと共に孤児院を去った。