「お前はただの繋ぎなんだよ」目の奥がそう言っている。
痛い…。
心が痛い…。
「紗英ちゃん、俺君が好きだよ。」
「ありがとっ…」
「だからさぁ…ダメ?」
私の事が好きなんじゃない。それぐらい分ってる。
けど、この駆引きしてる時間がたまらなく好き。
この焦れったい感じ。
「でも彼女怒るんじゃない?」「だからいないって〜(笑)」
嘘つきだ。
目が泳いでるし、さっきから携帯を気にしてる。
別に構わない。
人の物だろうが何だろうが。
今この時だけは、
私の事だけ見てるから。
一瞬でも構わない。
本気で誰かに愛されたい。
誰でもいいから愛して欲しいの…。
「ねぇ…紗英ちゃん?」
「いいよ。行こうホテル」
「マジ?いいの?」
「愛してくれる?」
「もちろんだよ〜」
偽りの愛。
だけど温もりは感じる。
一人じゃないって安心する。
もっと愛して…
もっと私を見て…
痛い…
心が痛い…
分ってたけど、使い捨てのように終れば素気なく突き放される。
何回同じ事すれば…。
朝日の昇る空にカラスが舞っている。
私はただそれを眺めた。
何だか涙が溢れた。
「誰か…私を愛して…」
ギィー!!!!!!
けたたましい音と共に体に衝撃が走って、私は仰向けに倒れていった。
続く