小春と私とハコは仲良くなるのに時間はかからなかった。関西弁を教えてくれとせがまれたが、東京のなかじゃ粋がった発音も濁った。
私は昔から自意識過剰すぎた。眼鏡で太っていても、自分はモテると思っていた。ナンパされないのは、周りの男にとって、私は敷居が高いものなんだと思っていた。
同い年の男子は子供ぽい、と私は出会い系サイトにはまり出した。実際は中学生の時から、好きなバンドの友達を作りたくて、コミュニティーサイトを利用していた。さとしもそこで知り合った。
私は得意げに、彼女たちにサイトで出会った彼と会うことになった話をした。小春もハコも、賛成はしなかった。
私は彼女たちには偏見がありすぎると、心の中で蔑んでいた。
気付いた頃にはもう遅くて、きっかけは本当に些細なこと。人は若いからというだろう。
でも若いから、ではすまされないことはたくさんある。若いことがいいことなわけじゃない。若さを武器に出来るのは、賢くなってからだ。でも若くして賢くなれるのは、何時なのだろう。
私は、若くて無知な自分を、年を重ねるごとに恥ずかしく思うのだ。