翌朝。
日差しが窓を通して、部屋に降り注ぐ。
その光はベッドの上に横たわるユーリを優しく包み込み、やがてその光は心地良い夢の中に沈むユーリを現実へと引き戻した。
目をゆっくりと開けば、鋭い日光が彼女の目に直射してくる。
「うーん…」
再び瞳を閉じ、ユーリは大きく欠伸をして起き上がる。
…そして彼女は何気なく、隣りのベッドへと視線を移してみた。
「…洋子?」
そう呟いて隣りのベッドをマジマジと見つめてみると、案の定洋子の姿が無いのが分かる…。
「どこ行ったんだろ…」
余り深くは考えずに、ユーリは呟いた。
それよりも昨日の夜に見た“直子”の姿が目に焼き付いて、ずっと頭から離れられないでいた。
(…一体どういう事? あれは明らかに直子だったわ…。あの服装、洋子とは違ったもの…)
…頭の中で色々な思いを巡らすユーリ。
その足は自然と家の外へと伸びていた。
海の家から出るなり、ユーリの目に見覚えのある姿が飛び込んでくる。
…それは海辺にいた。
ユーリはすかさず歩くスピードを上げ、一気に駆け寄る。
「…ユーリ」
駆け寄るユーリに声をかけたのは、直子か洋子…。
そのどちらかの者であった。
そしてその隣りに居るのは、昨日の夜に出会った“相葉君似の男性”。
「ユーリちゃん」
彼も続けて、優しくユーリに声をかける。
しかし、ユーリの表情は固まっていた。
何故なら、その男性が着ている“白いTシャツ”に見覚えがあるからであった…。
続く