そのカリスマから、熱狂的な国民の支持を得て突如、現れた信長議員は、政権与党の代表として、国会で総理大臣の指名を受け、日本国総理大臣となった。
そして、就任後の所信表明演説は、国民が固唾を呑むなかでの、演説となった。
ニュースが特別番組を報じる。
「織田首相の所信表明演説が始まります。国会から中継致します。」
画面に信長総理の姿が、映しだされた。
「余は・・・」
「無私の境地で、ただこの国のために、この命を尽くす所存である。
いうなれば、国のためなら、いかなる所業も余はいとわぬ、ということにて、
余に比叡山のごとき、すなわち聖域なるものはなきものと、民は知るべし。」
場内はざわついた。
「いかなる名君による善政とて、万民全ての満足を満たすことかなわぬっ!
政は時に、民の反発を招くことありても、国、即ち我らが館を守り、 ひいては館を守ることが、屋根下に住まう民を守ることに繋がりたれば、いかなる非難ありたれども、余は主君としての務めを、全うせしものなることを、万民にしらしむるものなりっ!!」