「お前にやってもらう仕事はこれだけだ。一つでも失敗してみろ。飯を抜くからな」
これだけと言われても、仕事の量は丸一日使ってしまう程多い。それに一人じゃ厳しい程の量だ。これなら孤児院の方がまだマシだ。配給のためだが、協力して仕事を越していた。
「はい…え、と」
バフとは言えない。
「あぁ…名前教えてなかったな。タナーだ。エデン・タナー。わかったな？」
エデン・タナー、＜殺人鬼バフ＞の本名だ。
「…は、はい！タナーさん！」
僕の張り上げた声にやる気を感じたのかタナーは微笑んだ。孤児院での怖さを忘れさせる笑みだった。
その後、仕事の仲間にハーブという大型犬を紹介してもらい、ある馬小屋に移動した。
その小屋は小さくなかったが、荷馬車を引く二頭の馬を入れるには、少し窮屈そうだった。
「馬小屋ですか？」
僕の質問に、タナーは暫しの沈黙の後に答えた。
「…これからテストだ。お前が死ぬか生きるかのな」
[369] 
[0] 
[0]
