ズボッ!
「・・・・・・・・・?」
何も起こらない。
かと思われた。
ガチィンッ!!
「う・・・」
腕が抜けない。完璧に固定されている。
キュイィィィィィーーー
「あっ、があああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
まるで、高圧電流を食らったような衝撃が、腕から全身へと伝わる。
イイイィィィィィーーー
「ああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
全身の筋肉が痙攣し、瞳孔は開き、血はマッハで体内を巡り、全ての血管が浮き出る。
ビキビキビキ・・・!
「か・・・!」
体に激痛が走る。もう、声さえあまりでない。
何故か、右の頬が燃えるように熱い。
イイイイィィィィーーー!
衝撃はさらに威力を上げた。が、すでに龍一は気絶しており、その体はただビクビクと痙攣するだけだった。
イイィィーーウゥー…ン
ガシャンッ!
やっと腕が解放された。
もちろん、気絶した龍一が立てるはずもなく、そのままドサリと力なく床に倒れた。
シュウウゥゥゥゥ・・・
龍一の体から、モクモクと蒸気が沸き上がっている。
「右頬・・・これも運命か・・・。」
本郷は、龍一に寄り添うように立って言った。
「今、『常識』とゆう『壁』は打ち破られた。」
そう言った本郷の足元に寝そべる龍一の右頬に、黒い【B】の文字が浮き上がっていた。